教育用画像集

のいち動物公園オリジナルの画像集です。教育現場での副教材としてご利用下さい。
※著作権は(公財)高知県のいち動物公園協会に帰属します。
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頭骨標本


アメリカビーバー

ネズミの仲間なので、大きな2対の前歯(切歯)が特徴です。
この歯は一生伸び続け、木をかじった時に柔らかい象牙質(白い部分)が削れる一方、前面の硬いエナメル質(茶色い部分)は削れにくく残る結果、歯先が「のみ」のように鋭くとがります。その歯の根っこ(歯根部)は長大で、頭骨と下あごの骨(下顎骨)の中に深く納められ出番を待っています。
また水面を泳ぐ時に、鼻・目・耳が水面上に出る造りになっているのも大きな特徴です(カバと類似)。




 
イノシシ

ウシの仲間に近いので目は横に開き、奥歯(臼歯)はすりつぶしに適した構造ですが、雑食性のため全ての歯がそれぞれの働きを持ち、哺乳類が元々持っていた44本の歯が全てそろっている数少ない種類の一つです。


 
ライオン

武器としての大きな牙(犬歯)と肉を切り裂くための切り立った奥歯(臼歯)が特徴です。目は斜め前に開いていて、その後方の側頭部には強大な咬むための筋肉(側頭筋)が付きます。
いずれも肉食動物の特徴を強く表しており、肉食のスペシャリストといえます。



 
タヌキ

イヌの仲間なので牙(犬歯)や奥歯(臼歯)は肉食動物の特徴を示しますが、雑食性のためそれ以外の歯もそれぞれの働きを持ち、形や大きさも同じものはありません。このようにイヌの仲間は、哺乳類の頭骨や歯の基本を知るのに適していると思われます。
哺乳類の頭骨はいくつかの骨が集まってできています。咬むための筋肉としては、主に側頭筋と咬筋がありますが、草食動物は咬筋が、肉食動物は側頭筋が発達しています。




 
ウマ

横に開いた目、そして草を噛み取る前歯(切歯)とそれをすりつぶす奥歯(臼歯)は草食動物の証です。ウマはウシのように食み直しをしないので、しっかり草をすりつぶせるように発達した奥歯とそれを支える頑丈な頭骨が特徴です。



 
カイウサギ

横に開いた目、そして草を噛み取る前歯(切歯)とそれをすりつぶす奥歯(臼歯)の他、前歯と奥歯の間に歯のない部分(歯隙)があることも草食のスペシャリストであることを示しています。
すばやく動けるよう頭を軽くするためか、頭骨の表面には穴がたくさん開いています。



 
ワオキツネザル

原始的なサルの仲間ですが、目が前方を向いているのと脳を入れる部分(脳頭蓋)が大きいのはサル類共通の特徴です。歯はサルの仲間としては比較的きゃしゃで単純な造りをしています。


 
コツメカワウソ

イタチの仲間で、目の位置(眼窩)が前方に大きく片寄り、脳を入れる部分(脳頭蓋)が比較的大きいのが特徴です。あごは頑丈で、魚やカニなどをぶつ切る、あるいは砕くのに適した大きな奥歯(臼歯)を備えています。あごの関節(顎関節)も強固で、この標本では上と下のあごを分離することができません。



 
カリフォルニアアシカ

アシカやアザラシなどの鰭脚類は、イタチの仲間の先祖から枝分かれして進化したと考えられています。目(眼窩)が非常に大きく、脳を入れる部分(脳頭蓋)も比較的大きいのが特徴です。魚をくわえ捕らえてほぼ丸飲みするので、軽くてきゃしゃなあごに尖った単純な歯(円錐歯)が並んでいます。


 
アライグマ

同じ食肉目のタヌキに比べると、頭骨は丸くコンパクトで頑丈な作りをしています。雑食性の特徴を示す歯も比較的頑丈で、大きな犬歯からは高い攻撃性を、奥歯(臼歯)の造りからはかみ砕く高い能力が伺われます。


 
ベネットアカクビワラビー

カンガルーの仲間ですから有袋類に属しますが、目の位置やあご・歯の造りなど、有胎盤類(真獣類)の草食獣と驚くほど似通った特徴を持っています。異なるグループの種が同様の環境や生活に適応して同じような身体的特徴を示すようになるという「収斂(しゅうれん)進化」のモデルの一つです。


 

剥製標本

ニホンカワウソ

国の特別天然記念物ですが、1979年の高知県須崎市での姿を最後に確認されなくなり、2012年に環境省が絶滅宣言を出しました。人間による捕獲や生息地破壊、生物多様性の衰退などが彼らを危機に追い込みました。日本固有種とされますが、最近ではユーラシアカワウソ種に含まれるのではという研究結果も出ています。